風通し解析
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(弱風) (風通し計画)
風が弱いと新鮮空気が市街地や敷地内に侵入せず、空気環境の悪化に伴う健康被害や夏期のヒートアイランド現象に伴う熱中症リスクの増加の可能性が高まります。
建築・都市計画には弱風化を回避するための風通し計画&対策が当然必要となります。
しかし、強風と異なり弱風障害は現象が複雑・多岐にわたることや弱風全般に関する明確な評価基準がないため、通常行われる風通し配慮や風通し計画の有効性が明確ではありません。
ここでは筆者らによる適風尺度を用いて弱風(風通し問題)を評価・検討します。
特徴
・ビル風(強風)と同様CFD結果を用いて弱風評価(風通し検討)を行います。
・CFD解析には乱流モデルとしてLES(Large Eddy Simulation)も採用します。
・年間&期間(夏期)における弱風出現頻度(日数)の予測・評価を通して風通し計画を支援します。
・風通し評価には年間における風の平均運動エネルギーや換気効率を用いた考察を行います。
・新たな視点として水平方向の気流だけではなく建物建設に伴う垂直方向の気流を利用した風通し計画を検討します。
近年、風の道形成や風通しを確保する計画は各地で数多く行われています。
これらに共通しているのは強風防止ではなく風の利用促進ということです。
これらの場合でも、上空風向毎の風速出現頻度を詳細に分析して「地表付近の年間(期間)における風環境評価」を行うことが有効です。
夏期における弱風(風通し不足)エリアを予測・評価します。
気温が高く風が弱いと弱風による非適風と認識されます。弱風域判定には適風(弱風)評価尺度を用います。夏期の気象データとCFD 解析結果を用いて適風(弱風)評価尺度と照合し弱風域をMAP 表現します。解析には乱流モデルとしてLESも併用します。
*1 村上・森川:ー気温の影響を考慮した風環境評価尺度に関する研究一
日平均風速と日平均気温に基づく適風非適風環境の設定日本建築学会計画系論文報告集 第358号 1985
風通しは通常水平方向の風を利用しますが、高層建築群における上空風を地表に引き込む特徴を利用すれば新たな風通し(Breathability)効果が期待できます。建築高度をバラバラにすることが特に有効とされています。
これはビル風現象の逆利用でもあり、その適用判断には多方面からの検討が必要になります。
弱風分析にはその地域特有の気象状況の把握が必要です。季節や風向を考慮して風通し計画を検討します。
風通し効果を考える際、平均風速でなく平均運動エネルギーで評価することが有効です。
各風向毎に地表付近の平均運動エネルギー分布を解析し、上空風速データと組み合わせて、年間における風通し性能をMAP化します。

風通し効果を考える際のもう一つの指標として局所排出換気回数があります。ある局所領域を選定し注目する「エリア空間」における局所換気効率(LPFR)を算出します。年間(季節)の風通しを評価する場合、ある局所空間体積を対象にして濃度解析を行い、風通しの良否を判定します。
これも上空の風速データ(ワイブルパラメータ)を用いて年間(季節)の風通し状況を評価します。